30代が貯金2,000万円を目指すには?貯蓄を増やすためにできること
結婚や子育てなど大きな節目を迎え、将来の人生プランを具体的にイメージし始める30代ともなると、貯金について考える時間が増えてきます。また、マイホーム資金や教育資金、老後資金など、ライフステージの変化によってまとまったお金が必要になるタイミングにも直面し始めるのが30代です。
たとえば30代で2,000万円の貯金というと、途方もないように思えますが、一般的に老後資金は最低で2,000万円は必要と言われています。ただし、大学卒業後の23歳から40歳までの17年間で2,000万円を貯めるためには、単純計算すると、毎月約9.8万円ずつ貯めていくことが必要になる計算です。今の自分の収入からは無理だと思う人もいるかもしれませんが、若いうちからお金を運用しながら増やしていく方法もあるため、決して不可能ではありません。そこで今回は実際に2,000万円の貯金をすることは可能なのか否か、そして貯金を増やすための方法について解説していきます。
1. 2,000万円貯金することは可能
答えからいうと、30代で2,000万円を貯金することは可能です。実際に20代や30代で2,000万円以上貯金している人が存在することは統計データにも表れています。
1-2. 貯金を2,000万円している人の割合
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成29年)のデータをもとに、貯金を2,000万円以上している人の割合を年代別に紹介していきます。
20代で貯金2,000万円以上ある人の割合
20代で貯金が2,000万円以上ある人の割合は1.2%と、少ないながらもゼロではありません。とはいえ、20代の平均貯金額は142万円となっており、大きな差があることも事実です。10代など早い段階からコツコツと貯めている、外資の金融系企業などに勤務しており20代から1,000万円以上の年収を得ている。そのようなケースのほか、資産運用に取り組んで成功しているケースが考えられます。
30代で貯金2,000万円以上ある人の割合
30代で貯金が2,000万円以上ある人は8.7%です。100人中で8~9人ということは、学校の1クラス40人で考えると3~4人いる計算になるため、コツコツ貯めている人は意外と多いとわかります。30代になると平均貯蓄額も589万円と大幅に伸びており、年収が増えてお金を貯めやすくなっていることが考えられます。また、収入アップを図り、副業や資産運用に取り組んで貯金を増やしている人もいるでしょう。
40代で貯金2,000万円以上ある人の割合
40代で貯金が2,000万円以上ある人の割合は11.3%で、全体の1割を超えています。平均貯蓄額も936万円となり、1,000万円に近い水準に達します。 子供がいる場合は教育費のかけ方にもよりますが、40代の共働き夫婦であれば貯蓄がしやすく、 管理職になって役職手当がつくことで年収がアップする人も多い年代です。 また、これまでをしてこなかった人も、老後を見据えて関心を持つ人が増えてくる年代でもあります。
50代で貯金2,000万円以上ある人の割合
50代で貯金が2,000万円以上ある人の割合は18.0%で、2割近くに及びます。50代の平均貯蓄額は1,342万円と1,000万円を超え、会社で管理職や役員として高年収を得ている人が増えてきます。ただし、50代は子供の教育費がピークに達するケースが多く、貯金を取り崩す人もいるため、2,000万円以上の貯金がある人は、計画的に貯めてきた人が多いと考えられます。
このように年代が上がっていくにつれ、2,000万円の貯金がある人の割合は増えていきます。それでは、60代になったときにいくら貯金があるのが理想なのでしょうか。
2. 老後のために単身者が必要な貯金額は2,000万円〜
ゆとりある老後の資金として必要な額は夫婦で3,000万円といわれることが多いですが、単身者の場合は、その半分の1,500万円になるのではなく、目安とされている額は2,000万円です。
結婚をしていて配偶者や子供がいる場合と異なり、単身者は老後も自力で必要なお金を用意する必要があります。一人暮らしでは一般的に、食費や光熱費などの生活費が割高になりやすいですが、それは老後も変わりません。さらに、平均寿命も延びてきており、介護費用の十分な備えも必要となります。また、万が一のときに助けてもらえる関係性を維持するために、友人との交際費が高くなる傾向にあります。
3. ゆとりある老後のために夫婦で必要な貯金額は3,000万円~
ゆとりある老後に必要な貯金額は、一般的に夫婦で3,000万円が必要といわれていますが、それで十分という意見もあれば、3,000万円では不十分という意見など、さまざまな考え方があります。
まず、3,000万円あれば十分とする意見は、年金受給額が夫婦で月に20万円以上あるのであれば、多少切り詰めてでも生活費をそれで賄い、貯金は臨時的な支出のみに充てられるので十分、という考え方です。一方、3,000万円では不十分とする意見では、家のリフォーム代や、定年後に子供の結婚費用の支出があるかもしれないといことや自分たちだけではなく親の介護費用も必要かもしれないということもあり、3,000万円では不十分というものです。あるいは、老後の生活にもっとゆとりを持ちたいという理由から、3000万円では足りないとする意見もあります。
4. 30代で2,000万円の貯金を作る方法
ゆとりある老後の資金として、単身者の場合は2,000万円、夫婦の場合は3,000万円必要だとわかりました。しかし、50代でも平均貯蓄額が2,000万円に達していないため、単純に銀行に預けて貯めていくだけでは難しいことも事実です。2,000万円の貯金を目指すには、コツコツお金を貯めていく以外にも方法を選択しなければなりません。
4-1. キャリアアップ・転職
今の収入では貯金を重ねていくことが難しい場合は、キャリアアップや転職によって収入を増やし、貯蓄に回すお金を多くすることを考えてみましょう。社内でキャリアアップしていくことが望めない場合は、転職もひとつの選択肢です。また、年功序列の賃金体系の企業で働いている場合は、実力主義の評価制度の企業に転職することで年収がアップする可能性があります。
4-2. 定期預金
定期預金は1ヶ月や3ヶ月、6ヶ月、1年、3年といった一定の期間、引き出しができない預金のことで、通常、普通預金よりも金利が高く設定されています。元本保証となるため、お金が減るリスクもありません。また、毎月決まった積立日に、設定している額が普通預金口座から自動で振り替えられる「積立定期預金」も選択肢となります。手元にお金があると無駄遣いをしてしまう人は、積立定期預金を利用して先取り貯蓄をすることで、確実に貯金をしていけます。
4-3. 投資信託
投資信託とは、運用の専門家が投資家から集めたお金を一つの大きな資金として株式や債券に投資・運用し、投資額に応じて運用益を分配する金融商品です。運用成績によっては利益を得られ、資産を増やすことができます。ただし、元本保証ではないため、損失を出す可能性があることに留意しなければいけません。自ら株式投資を行う場合には市場の動向によって銘柄を組み替える必要が出てきますが、投資信託は運用の専門家に任せられるため、資産運用に慣れていない人や投資に時間を割けない人に向いています。
4-4. 貯蓄型保険
貯蓄型保険とは、万が一に備えながらも貯蓄性も担保されている保険をいい、保険料の払込み額を上回る保険金、あるいは解約返戻金を受け取れることが特徴です。終身保険や養老保険、学資保険、個人年金保険などが該当します。貯金をするよりも保険料の支払いのほうが強制力はあるため、資産形成につながりやすい点もメリットです。ただし、解約する時期によっては解約返戻金が払込済み保険料を下回ってしまうことや、万が一への備えに対しては掛け捨て型の保険に比べて保険料が高額になる傾向があることがデメリットです。
4-5. 株式投資
株式投資は、証券会社を通じて上場企業の株式を売買するものです。株式投資で得られる利益は、株式の売買による売却益、決算ごとの利益を分配する配当金、自社商品やサービスなどを提供する株主優待の3種類があります。中でも株式投資での利益のメインは売却益であり、貯金を大きく増やすことも可能です。
株式投資はこれらの3つの利益が得られることのほか、議決権を得ることで経営に参加できることもメリットです。一方で、大きな利益を得る場合や議決権を得る場合は投資額が比較的高額になります。また、大きな売却益を得られる可能性がある一方で、企業が経営破たんを起こすと紙きれ同然の価値になるというリスクもあります。
4-6. 不動産投資
不動産投資とは、一般的にはマンションやアパートを購入し賃貸に出すことで家賃収入を得ることや、売却することで利益を出すことを目的とした投資手法です。空室にならない限りは、毎月安定した家賃収入を得ることができます。ローンを利用して少ない資金で開始し、長期的に運用することも可能です。
不動産投資は、信頼できるパートナー会社に管理を委託すれば、入居者の募集や賃貸契約、家賃の集金、修繕工事の手配、退去手続きといった賃貸経営に関わる手間を省けるため、副業にも向いています。また、ローンを組んで投資物件を購入する場合には、団体生命信用保険への加入が義務付けられているケースが多く見られるため、生命保険代わりになることもメリットです。ただし、不動産投資には入居者が入らなかった場合の空室リスクがあります。
しかし、空室リスクも軽減する方法があり、その方法は立地条件にこだわることです。多くの企業があり人口が集中する東京圏の物件で新築のワンルーム物件を選ぶことでリスクを軽減できます。
複数の物件を所有して空室のリスクを分散したり、物件を売却して買い替えたりするといった戦略も考えられます。
【関連記事】不動産経営が失敗する5つのリスクをプロはどのように回避するのか
5. もし30代で2,000万円貯めたらセミリタイアの道も
セミリタイアとは貯金や投資などの不労所得をベースに、最低限のアルバイトなどの労働をしながら暮らすライフスタイルです。もし、30代で2,000万円(夫婦の場合は3,300万円)を貯めることができたら、さらにもう少し頑張って、セミリタイアの道を選ぶことができるようにもなるかもしれません。
5-1. 単身者のセミリタイアに必要な1ヶ月の生活費…約17万円
総務省の統計によると、単身者の、1ヶ月の生活費として最低限必要な金額は約17万円です。
5-2. 単身者のセミリタイアに必要な資産…5,400万円
45歳でセミリタイアし、月17万円で生活する場合で、月5万円はアルバイトなどの収入があるとすると、12万円が不足します。年金がもらえる65歳までに必要な資金は、12万円×12(ヶ月)×20(年)=2,880万円です。65歳からは国民年金を満額支給受けた場合は月額約6万5000円が支給されるため、厚生年金の支給額を加味しない場合の不足額は月10万5000円となります。85歳まで生きると仮定すると、10万5000円×12(ヶ月)×20(年)=2,520万円が必要です。そのため少なくとも合計で5,400万円の貯金などの資産が必要になります。
30代で2,000万円を貯めることができたら、次は5,400万円を目指してみてはいかがでしょうか。もちろん、65歳まで働いて多くの余裕を作りゆとりある老後を迎えるのも良いでしょう。
まとめ
ゆとりある老後に必要なお金は単身者でも2,000万円といわれているにも関わらず、50代でも平均貯蓄額がそれに達していません。早めに貯蓄以外の方法で、対策を始めることが大切です。もしお金を作ることに成功すれば、60代を前にしてセミリタイアも夢でなくなるかもしれません。なかでも不動産投資は、30代のサラリーマンの副業としてもお金を作りやすい手法です。セミナーに参加するなど、まずは積極的に情報収集を始めていくことが、貯金2,000万円を作る近道といえるでしょう。
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