「がんは、万が一じゃなく二分の一」がんと診断されたら残債が0円になる不動産投資「がん保険付き団体信用生命保険」とは
老後資金のために不動産投資をしている、あるいは検討をしている人の多くは、できるだけ健康で長生きして安定した暮らしをしたいという希望を持っていると思います。しかし20年後30年後まで健康でいられる保障はないため、多くの人は多少なりとも将来への不安を抱えているでしょう。
特に、がんは怖い病気として多くの人が恐れていますが、近年は医療の進歩によって、治らない病気とは言えなくなりました。ただ、治る病気であっても治療が長期化した時の医療費や生活費に対する不安は拭えません。そのため不動産投資でローンを組むときに必要な団体信用生命保険に、がんになったときの保障を付けるニーズが高まっています。そこで今回は、不動産投資で老後の安定した生活を確保し、がんになったときの治療費や生活費の不安も解消できる「がん保険付き団体信用生命保険」について解説します。
1.日本人の死因第1位のがん
全国健康保険協会によると、日本人の2人に1人はがんにかかり、3人に1人はがんで死亡しています。また、厚生労働省が発表する日本人の死因を見ると、第1位はがんです。死因全体に占める割合は30.1%と、第2位の心疾患(15.8%)、第3位の脳血管疾患(10.7%)を大きく上回っています。年齢別の死因別では、特に50歳から74歳までは、がんが全体の40.0%から48.0%を占めており、第2位の心疾患の12.0%から13.0%をさらに大きく上回ります。
一方、国立がん研究センターによると、医療の進歩や早期発見により、がん患者の10年生存率は55.5%と右肩上がりの上昇を続けています。がんの部位別では、10年生存率が最も高いのは前立腺がんの92.4%で、最も低いのはすい臓がんの5.0%と大きな差があります。また、がんの進行度を示すステージ別では、最も初期の段階である1期の10年生存率は80.6%ですが、そこから進行した2期では68.3%、3期では38.5%、4期では13.1%と急激に低下していきます。しかし、がんは早期発見できれば死に至る可能性は低い病気となり、ステージやがんの種類によっても大きく異なりますが、全体を平均すると、がんになって10年間生存できる確率は約2分の1以上あるのです。
2.終身がん保険とがん保険付き団体信用生命保険の違い
がんになったときに必要な医療費に備えるには、医療保険に加えて終身がん保険に加入するのが一般的です。一方、ローンを組んで行う不動産投資では通常、団体信用生命保険に加入する必要があります。このときにがん保険付き団体信用生命保険に加入すると、終身がん保険とは異なる大きなメリットが得られます。ここでは、終身がん保険とがん保険付き団体信用生命保険の概要を紹介し、どのようなメリットの違いがあるかについて解説します。
2-1.「終身がん保険」とは?
がん保険に限らず医療保険や死亡保険には、保険期間が設定されている「定期タイプ」と、死亡まで保障が続く「終身タイプ」があります。それぞれにメリット・デメリットがありますが、老後の生活の保障を考慮すると「終身タイプ」が安心です。「定期タイプ」は契約が満了すると保障を継続するには契約を更新しなければなりませんが、保険会社によっては高齢になると更新ができなくなるからです。また更新ごとに保険料も高額になっていきます。さらに、がんは高齢になるほどかかりやすいため、保障が長く続く「終身タイプ」が適しています。
終身がん保険は、がんになったときの医療費の経済的負担を軽減することが目的の保険です。そして、その保障は一生涯続きます。終身がん保険のメリットは、保険料が一定で生涯上がらないことです。また、がんになったときに保険料の払い込み免除特約を付けていると、保険に加入後早い段階でがんになったとしても、条件に該当すれば、かなりの額の保険料を軽減できます。がんになったときの主な保障は、がんと診断されると給付される「診断給付金」、治療のために入院すると給付される「入院給付金」、所定のがん手術を受けると給付される「手術給付金」、そして退院後に通院治療を受けると給付される「通院給付金」などがあります。
2-2.がん保険付き団体信用生命保険とは?
一方、不動産投資でローンを組むとき、通常、金融機関は団体信用生命保険に加入することを貸し出しの条件としています。ここにがんになったときの保障が追加されて、がん(所定の悪性新生物)※と診断されたらローンの残債がゼロになるのが、がん保険付き団体信用生命保険です。
がん保険付き団体信用生命保険のメリットは、家賃収入を医療費も含めた生活全般で必要なお金に充てられることです。がんになるとローンの支払いが不要になるので、家賃収入が全額手元に残り、治療に必要な医療費や生活資金への負担を一生涯にわたって軽減できるのです。さらに、がんが治れば医療費が不要になるので一気に生活が楽になります。
3.がん保険付き団体信用生命保険に加入する必要性
終身がん保険との違いがわかったところで、さらにがん保険付き団体信用生命保険に加入する必要性を考えてみましょう。
3-1.長期間の治療でも家賃収入を医療費と生活費に使える
がん(所定の悪性新生物)※と診断されたら、入院、手術、抗がん剤、保険が利用できない先進医療など、多額の医療費がかかります。がんを手術で切除し退院できても、再発の予防や再発していないかの確認のため通院による治療が必要です。がんは医療の進歩で治る病気になってきましたが、治療は長期にわたり、2〜3年かかることもあります。
不動産投資で団体信用生命保険にしか加入していないと、がんになったときでもローン返済は継続しなければならないので、医療費負担と休職・退職による減収で生活が極めて厳しくなります。終身がん保険に加入していれば、医療費の心配は必要なくなりますが、ローン返済と給与収入の減収は継続するので、こちらも生活は厳しくなるでしょう。
3-2.家賃収入はがん治療中・治療後の生活費にもなる
また、通院で抗がん剤治療が必要になると、副作用で十分な仕事ができないことから長期間会社を休んだり、やむを得ず退職したりする人が少なくありません。その後、がんが寛解(かんかい:一時的あるいは永続的にがんが縮小または消滅している状態のこと)して、仕事ができるようになっても、退職してしまっていると、失業保険の給付期間中に再就職できない場合など、生活が苦しくなります。また、再就職できても収入が減ることが多いので、厳しい生活が続く可能性が高いようです。
がん保険付き団体信用生命保険に加入していれば、ローン返済が不要になることに加えて、家賃収入の全額を医療費と生活費に使えるので、無理をして働く必要もなくなります。もし投資物件を複数所有していた場合、1件の家賃が8万円とすると、3件あれば月額24万円の家賃収入をローン返済に回すことなく使えることになり、さらに安心して生活ができるのではないでしょうか。
3-3.多額の費用が必要になった場合、物件を売却することもできる
治療のために多額な医療費が必要になれば、物件を売却することもできます。誰もががんになる可能性がある現在、不動産投資のリスクを軽減し、安心できるようにするためには、がん保険付き団体信用生命保険に加入しておく必要があると言えるでしょう。
4.がん保険付き団体信用生命保険の注意点
がん保険付き団体信用生命保険を検討・加入するときには、以下の5つの点に注意が必要です。
4-1.ローンの借入時にしか加入できない
ローンの契約時には返済額を減らしたいという気持ちが強く働きます。がん保険付き団体信用生命保険に加入すればその分、返済額が増える※ことになるので、がんになるリスクを軽視して加入を見送りたくなってしまいます。しかしその後、気持ちが変わっても加入はできません。がんになったときのリスクと、返済額が増えるリスクのどちらを優先するか十分な検討が必要です。※金融機関によっては返済額が変わらない金融機関もあります。
4-2.契約の見直しができない
契約後に、がんだけではなく他の病気や要介護状態への備えを必要と感じても、契約内容の変更はできません。また、魅力的な団体生命保険を契約時に知らなかったり、後からできたりした場合も、変更はできません。ローン申込時に、利用できる保険について十分調べてから選択することをおすすめします。
4-3.ローンの返済が終了すると保障がなくなる
がん保険付き団体信用生命保険は、ローン支払い中のリスクを軽減することが目的のため、ローンを完済するとその時点で保障はなくなります。たとえば、繰り上げ返済で早期にローンを完済したとして、完済後にがんになったとしても、保障はなくなっています。ローンを組む時点では、早期に繰り上げ返済が可能なことはなかなか予測できませんが、繰り上げ返済できる可能性があれば、それも保険の選択の際に考慮して検討することをおすすめします。
4-4.加入できる年齢制限がある
がん保険付き団体信用生命保険の年齢制限の年齢は低く、50歳を超えると加入できないことが一般的です。50歳を超えた場合はがん保険が付いていない団体信用生命保険となります。
4-5.健康状態で加入できない可能性がある
健康状態の告知内容によっても、年齢制限に達していなくとも加入できない可能性があります。
まとめ
がん(所定の悪性新生物)※と診断されるとローン返済が免除されるがん保険付き団体信用生命保険は、医療保険の代わりになることに加え、家賃収入を年金と考えることで個人年金の役割も果たせる保険です。日本人の2人に1人ががんにかかると言われる今、将来の安定した生活のための収入のためには、ほかの保険と比べても保障内容が手厚いと言えるがん保険付き団体信用生命保険への加入を検討することをおすすめします。がん保険付き団体信用生命保険へのご加入を希望される方は、ぜひご相談ください。
※「上皮内がん」や「皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん」はがん診断保険金のお支払いの対象となりません。また、責任開始日からその日を含めて90日(免責期間)以内にがん(所定の悪性新生物)と診断確定された場合には、がん診断保険金は支払われません。
※保険の条件・保険金の支払い要件に関しては各金融機関により変わります。
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