【インフレ対策】タンス預金にはメリットがないって本当なの!?
タンス預金とは、銀行などへ預けずに家庭内で保管している現金などの総称です。タンスにしまわれることが多いことから、そう名付けられています。ただ、これからの時代においてタンス預金という資産の保管方法を続けると、思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。
タンス預金は莫大なる埋蔵金
少しさかのぼりますが、2008年8月22日に日本銀行が発表した「日銀レビュー」によると、日本のタンス預金は約30兆円も存在するとみられています。30兆円と言えばシンガポールや香港のGDP(国内総生産)に匹敵するほどの途方もない金額です。これだけでもめまいがしそうな金額ですが、日本のタンスに眠っているのは現金だけではありません。
今年(2015年)の1月に田中貴金属工業が発表した「日本に眠る貴金属に関する意識調査」によると、家庭内に保管されている貴金属の総額は3兆円にも達するそうです。ちなみにこれはモンゴルのGDPの約3倍にあたります。
さらに意外なところでは、「全国酒販協同組合連合会」が2014年に調査した「30代~50代の主婦1,000人に聞く、ビール共通券の利用実態調査」によれば、家庭にある未使用ビール券の総額が推定約679億円となっており、まさに日本の家庭には「埋蔵金」が眠っているのです。
タンス預金をする理由とは
これほどの資産が眠っている日本のタンス預金事情ですが、人はなぜタンス預金をするのでしょうか?
大きな理由としては、
・いざというときにすぐに使えるから
・銀行の金利が低く、家に置いていても同じことだから
・銀行のペイオフが不安だから
などが挙げられており、どちらかというと保守的な理由からタンス預金を選択している人が多いようですね。
タンス預金のデメリット「インフレに弱くて危険」
上記のように保守的な理由から選択されるタンス預金ですが、実はさまざまなデメリットがあります。
火災や空き巣などによる消失リスクはもちろんですが、一番のデメリットは「インフレリスク」だと言えるでしょう。例えば、現在100円のお菓子が、200円になってしまうなどのインフレとなった場合、タンス預金の価値は半分に減ってしまうことと同じなのです。
タンス内にある現金に利息や運用益はつきませんから、インフレに柔軟に対応することはできません。ましてや、現在の日本は物価が上がるけれども給料は増えないというスタグフレーションに突入しているとも言われていますので、タンス預金という資産の保管方法はますます危険だと言っても過言ではないでしょうか。
たしかに急激にインフレが起きれば、人は「危険だ」と気付けますが、現在のように緩やかなインフレが続いていく中では、なかなか危機感を持つのは難しいものです。人は正常性バイアスと言って、多少の環境の変化が起こっても、それを正常の範囲内としてとらえてしまうようです。タンス預金をしていたら「気付かぬうちに資産の価値が大きく減ってしまった」ということになってしまうかもしれません。
タンス預金は、インフレ対策のために投資へ回そう
これから更なる物価の上昇が懸念されている日本では、もはやタンス預金は自分の首を絞めるだけの行為かもしれません。自宅のタンス預金は「インフレに耐えうる資産」に変換して対策をしっかりと行うことが、未来の家計を救う第一歩になると言えるでしょう。
マンション経営大学のコラムでは、インフレ対策や、インフレに強い資産運用方法などをたくさんご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
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