不動産投資用ローンで融資がつきやすい物件の特徴と、ローンを有利に組むための3つの条件
不動産投資で効率よく利益を上げていくためには、複数の物件を購入することが重要になってきます。もちろん自己資金だけで不動産物件を購入できれば、返済リスクはなくなります。ただし、生活をするうえでまとまったお金が必要になる場面もあることを考えると、自己資金をすべて投資に使ってしまうのは、決していい戦略とは言えません。
そこで可能な限り融資を受けて投資用物件を購入し、利益を上げていくことを考えましょう。ここでは不動産投資用ローンで融資がつきやすい物件の特徴と、それに加えてローンを有利に組むための3つの条件について、お伝えしていきます。
1.不動産投資のローンが受けやすい物件の特徴とは
まず物件の特性や条件自体から融資が受けやすいものをみていきましょう。
・ワンルームマンションであること
投資用物件にはさまざまなものがありますが、主なものはマンション・アパート・戸建の3つです。この中で言えば、もっとも融資がつきやすいのはマンションです。その理由として、マンションは基本的にRC造で建てられているため、法定耐用年数の期間が長く設定されています。また、耐久性、断熱性、防音性が優れているため、居住性が高い点も理由として挙げられます。つまり、入居者は長い間安定して快適な環境で暮らすことができるのです。
特に単身者向けのワンルームマンションは、部屋にバス、トイレ、バルコニー、キッチンなど一定の設備がコンパクトにまとまっていることが多く、どの物件を買っても入居者は利便性を感じられます。それに比べ、アパートは木造が中心です。法定耐用年数がマンションの半分以下で劣化しやすいというデメリットがあります。戸建はさまざまな工法で建てられていて、耐震性や遮音性が高いRC造住宅などもありますが、物件によって間取りや設備に差があり、質が安定しません。それに立地が良い物件が少ないのも特徴です。購入しても問題なく運用できて貸しやすいことから、マンションには融資がつきやすくなっています。
・新築であること
中古に比べると、新築の投資用物件のほうが融資はつきやすいです。先にも挙げましたが、法定耐用年数が経過してしまっている物件は住宅機能の劣化が進んでいるため、安定して長く貸すことが難しくなります。仮にリフォームで住宅自体の機能は上がっていても、やはり築年数が30年を超えた物件よりも新築物件のほうが、借りる人に人気があるのです。デザイン面でも優れており、最新の設備が導入されているので、新築物件への入居はとても決まりやすい傾向があります。
法定耐用年数をすでに経過してしまった物件は、基本的に融資が非常につきにくいのに比べ、新築物件に融資がつかないことはまずないと言っても過言ではありません。
・東京圏であること
不動産投資の成否を左右する最も重要な要素は、立地です。立地次第で融資のつきやすさは大きく違ってきます。中でも安定して融資を受けやすい場所と言えば、やはり東京都内です。日本全体の人口が減少している中でも、都内は人口の上昇が続いており、特に23区内はこれから先、まだまだ人口が増えていく見込みです。自然増で人口が増えているわけでありませんが、2018年は付近の自治体から約8万人が流入。この動きはまだ続きます。23区内は東部や南部を中心に地価が上昇しているので、資産価値が減少しにくい面も融資のつきやすさに影響しています。
つまり東京都に近い東京圏なら、安定した不動産物件の運営が可能なのです。
2.不動産投資のローンが受けやすい人の条件を満たすことも重要
融資を受けやすくするためには、物件の選定にこだわるだけでなく、融資を受ける人自身が融資を受けやすい条件を満たす必要があります。融資を受けやすい条件とは、どのようなものでしょうか。
2-1.収入や勤務先が安定している
住宅ローンの融資の審査の際、金融機関は融資を受ける人の収入や勤務先を非常に細かくチェックします。住宅ローンの場合は金利が低いので、金融機関はあまり利益を得ることができません。それだけに、絶対に貸倒れを起こしたくないのです。投資用物件の場合は金利をある程度は高く設定できるので、金融機関も金利でリスクをカバーできますが、それでも借り手の属性はチェックします。
主に見られるのは借り手の返済能力で、一定の年収があること、勤務先が安定していることなどです。勤続年数はそこまで細かくは見られませんが、勤続期間が1年未満で融資を申し込むと、断られる可能性があります。自営業など収入が一定ではない人は融資が受けにくいので、自分の条件をこれ以上良くすることが難しい場合は、頭金を出来るだけ準備して融資を申し込みましょう。
2-2.過去の信用情報に毀損がない
融資の審査の際、金融機関は過去の信用情報も確認します。簡単に言えば、クレジットカードの返済などが滞ってブラックリストに掲載されたことがある人や貯金が少ない人などは、融資が受けにくくなります。「物件の購入資金の大半を融資でまかなうのであれば、貯金の額はあまり関係ないだろう」と思うかもしれませんが、貯金がほとんどない人は支出が多く、返済リスクの高い人間だと金融機関から判断さてしまう可能性があるのです。
その点、貯金がある状態で融資を受ければ、金融機関は貸倒れになっても貯金から融資した資金を回収できます。貯金の額は、そのまま個人の信用につながるのです。ほとんどの金融機関は、クレジットカードで莫大な借金をつくって自己破産をした人や信用情報に毀損がある人を相手にしません。万一該当する場合は、信用情報が回復するのを待ってから融資を申し込んでください。
3.実は重要なのが提携金融機関が多い不動産会社を選ぶこと
投資用物件を購入するときは、不動産会社が提携している金融機関から融資を受けると、金利、返済期間などが好条件になることがあります。そのため、提携ローンが使えるパートナー金融機関がいるかどうかもしっかりチェックしましょう。
3-1提携金融機関が多い不動産会社を選ぶ
金融機関から良い評価(物件の質や財務内容、ビジネスモデルなど)を受けている不動産販売会社ほど、多数の金融機関と提携し個人での持ち込みより良い条件で融資を紹介しています。その為、基本的には、紹介先の金融機関が一つでも多い不動産販売会社を選びましょう。少ない会社は金融機関からの評価が低い、つまり物件の質や財務内容、ビジネスモデルなどの評価が低いということです。金融機関側も資産価値が高く、高品質で確実に利益が取れる投資用物件を販売する不動産会社であれば、積極的に好条件で融資を行います。一方で投資家の大半が購入した物件に不満を抱くような不動産会社には、金融機関も融資を行いません。提携先の金融機関の多さは、不動産会社の質を見極めるうえで非常に重要な要素なのです。
もちろん融資を受ける側にとっても、提携先の金融機関の数が多ければ、それだけ審査を申し込める数が増えるというメリットが生まれます。金融機関によって審査の基準は異なるので、A社では断られたがB社で融資を受けられた、ということもあります。
3-2.好条件でローンが受けられれば、物件価格の高さをカバーできる
提携金融機関を利用するかどうかで、金利が大きく異なってくることがあります。最近は不動産物件の価格が上昇しているので、今は購入するべきではないという見方もありますが、これはある意味では間違いです。
不動産投資においての返済リスクは物件価格そのものというよりも、毎月の返済額が影響してきます。仮に35年の返済期間で2,500万円の融資を受けてマンションを購入しても、貸付金利が4%では、毎月の返済額が110,693円になってしまいます。ところが、融資額が2,800万円で返済期間が35年の条件でマンションを購入する場合、貸付金利が1.9%に下がれば、毎月の返済額はなんと91,323円で毎月の返済額を約2万円も減らせるのです。つまり返済総額で考えれば、単純に(2万円×12か月)×35年=840万円も減らせるので物件価格の上昇は金利で十分にカバーできることになります。
金利が低下していることは、実は投資をするうえで大きなチャンスだとも考えられるのです。こういった好条件での融資が可能な金融機関と提携している不動産会社を選べば、返済リスクを抑えた投資が可能になります。
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まとめ
融資を受けやすい不動産投資物件を選定する際は、種類と築年数、立地を見ることが重要で、加えて借り手の条件を見直し不動産会社を見極める必要があります。これらの要素をおさえて好条件でローンが組めれば、自己資金の持出しがほとんどなくても、フルローンで物件を購入することが可能です。つまり、わずかな自己資金でも資産を拡大することができるのです。
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