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アパート経営の今後は?賃貸物件の建築ラッシュと空き家問題について

現状、アパートなどの貸家の建築が相次いでおり、市場としても盛り上がっています。しかし、少子高齢化社会の日本ではこれからのアパート経営は厳しいとの声もあります。今後のアパート経営の展望はどうなのか、データにもとづいて解説します。

1.アパート経営の将来性とは

国土交通省の「建築着工統計調査報告(平成30年度計)」によると、アパートやマンションなど賃貸を目的とした平成30年度の貸家の建築数は396,404戸でした。


引用:建築着工統計調査報告(平成30年度計)

近年、貸家の建築数は増加傾向が続いており、今後も暫く建設ラッシュが続くと予想されています。
貸家の建築が増えている背景には大きく分けて2つの要因があるとされています。

建築数増加の要因1:相続税の改正による節税対策

2015年の相続税改正により、相続税の基礎控除額が5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)から3,000万円+(600万円×法定相続人の数)へと引き下げられました。これに伴い、課税対象者が全国で増えています。
そんな相続税の節税対策として注目されたのがアパートなどの賃貸経営です。現金の相続税評価額は額面通りですが、不動産の相続税評価額は特例等により実勢価格よりも低くなります。そのため、課税対象を回避、または課税額の減額が可能になるのです。特例についての詳細は国税庁のホームページをご覧ください。

建築数増加の要因2:低金利の長期化により融資が受けやすくなった

アパートなどの賃貸経営を行うための賃貸住宅の建築費は融資を活用する人がほとんどです。そんな中、日銀のマイナス金利政策により、アパートローン(不動産投資ローン)の金利が下がり、融資を受けやすくなりました。これにより、今まで不動産ビジネスに参入できなかった投資家たちが参入し、貸家の着工数が増加しています。

2.今後のアパート経営を考える上で重要な空き家問題

アパート経営の将来性を考えるにあたって、見過ごせないのが空き家率の上昇です。総務省統計局の「平成25年度住宅・土地統計調査結果」によると、空き家率は13.5%と5年前の調査に比べ、0.4ポイントも上昇し、過去最高を記録しました。2040年には、日本の空き家は増加の一途を辿り、空き家率は40%を超えるという予測もなされています。
空き家率が高いということは、入居者で部屋が埋まっていないということです。入居者がいなければ家賃収入が見込めず、アパート経営が困難になってしまいます。

空き家率上昇の原因:人口減少

空き家率上昇の要因として日本の人口減少が考えられます。日本の人口は、2008年をピークとして減少傾向にあります。総務省統計局の「人口推計」によると、2018年8月1日現在の日本の人口は、1億2,649万人あまりです。しかし、国立社会保障・人口問題研究所によると、将来的には減少はさらに進み、2040年には1億1,000万人を、2059年には1億人を割り込むと推計されています。そうなると当然住宅が余り、アパートを含めた賃貸経営は大きく打撃を受けることになりそうです。

空き家が増えても賃貸物件のニーズは増える

人口減少により住宅の供給過多が起こっていることを解説してきましたが、持家と貸家では事情が異なります。注目すべきは世帯数の推移です。世帯総数は、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、2015年現在5,333万で増加傾向にあり、増加のピークは、2023年の5,419万世帯です。それから減少傾向に転じ、2040年には5,076万世帯になると予測されています。世帯数が人口に比べると大きく減少しないのは、1世帯あたりの人数が減り、単独世帯が増加すると予測されているためです。単独世帯の増加に伴い、今後も暫くは賃貸住宅のニーズは増えると考えられます。

3.今後のアパート経営の展望

現状、アパート経営に参入しやすい条件が揃っていることは事実です。しかし、空き家率の上昇などを考慮すると、誰もが簡単に参入してアパート経営で成功できるとは言えません。
ただ、アパート経営が上手く行っている事業主がいるのも事実です。今後のアパート経営は不動産の知識とビジネスセンスによる見極めが重要になってきます。

単身者向け、新築・築浅賃貸住宅の需要は増える可能性が高い

単独世帯が増えることによる賃貸住宅の需要増加が見込めます。また、現在ある賃貸物件の中には1980年代後半~1990年初頭に建てられたバブル期に建てられた築年数が古い物件が多くあります。今後、これらの物件は耐用年数を過ぎ、大規模修繕または取り壊しが必要となってきます。バブル期の賃貸物件が取り壊されることにより、新築賃貸住宅の需要が増えることも予想されます。

アパートの耐用年数と建て替え

アパートを含む建物の耐用年数は構造によって異なり、木造22年(一般的なアパート)、金属造(鉄骨造)は19年~34年です。耐用年数を過ぎた場合でも建物が寿命を迎えるわけではなく、すぐに賃貸ができなくなるわけでもありません。しかし、築年数を重ねていくと、建物を維持していくために大規模修繕が必要となります。
また、アパートはそもそも木造が多く築年数が経過すると家賃を下げなければ入居者が付かないため採算が取れず、建て替えや取り壊して売却を考えるオーナーが多くなります。

入居者のニーズに合わせた経営が今後の成功のカギ

耐用年数を超えるアパートが取り壊されるようになり、新築アパートの割合が増える状況となると、現在アパート経営中の場合は注意が必要です。相対的に新築のアパートが増えることから、築年数を経過しているアパートの場合は、これまでよりもニーズの落ち込みが激しくなる可能性があるからです。新築アパートが増えていく中で競争力を維持していくには、設備を時代のニーズに合わせて新しくしていくことが必要です。大掛かりなリノベーションを行わなくとも、設備を見直すだけで入居率をアップさせることは十分にできます。

現在のトレンドでは、セキュリティシステムの導入や宅配ボックスの設置、無料のWi-Fiインターネット設備などが人気です。これらはいずれも大規模なリフォームなしに設置が可能ですので、アパートの競争力を高めるためにも導入がおすすめです。また、常にどういう設備が入居者から求められているかについても、キャッチアップしていくことが今後の上手な経営には欠かせません。

4.アパート経営はやり方次第で今後も成り立つ

住宅の空き家率と将来の人口減だけを見ていると、これからのアパート経営は厳しいのではと感じられます。しかし、アパートでも、将来的に占める割合が高くなる単身者世帯をターゲットとしたアパートであれば、十分なニーズを掴むことはできるでしょう。

今後10~20年の間に、バブル期に過剰に建てられたアパートが取り壊しの時期に入りますので、アパート経営を取り巻く環境には変化が訪れます。新築アパートの増加を見越しながら、新たな賃貸戦略を考えていくことが必要です。

単身者向けのニーズが落ちないのは、アパートだけではありません。マンションについても同じことがいえます。これから賃貸経営をお考えなら、ワンルームマンションへの投資も検討してみてはいかがでしょうか。東京圏の物件であれば、アパートのような心配もなく安定した賃貸ニーズがあります。

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