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【相談事例】なぜか相場よりも高い家賃の中古マンションを購入した結果

この記事は、過去にマンション投資で失敗し、マンション経営大学に相談にお越しいただいたお客さまから聞いた、事実にもとづいたフィクションを紹介するコーナーです。

今回ご紹介するのは、築年数が30年以上も経過しているマンションを購入した30代女性のケース。購入当初は利益が出るはずと信じた物件でしたが、わずか1年後の入居者入れ替えで、事態は一変。マンション経営のメリットである定期的な収入を確保するどころか、定期的な支出に追われて後悔をしてしまった例です。資産価値を維持できる物件と維持できない物件、その違いは、どんなところにあるのでしょうか。これからマンション経営を始める人が、優先して選びたい条件とは。考えてみましょう。

<失敗してしまった人プロフィール>

  • 名前:Cさん(仮名)
  • 年齢:マンション購入時36歳、現在39歳
  • 年収:450万円
  • 投資目的:資産を増やして脱サラの夢を叶えるため
  • 所有マンション数:1件
  • 所有マンション間取り:ワンルームマンション(3点ユニットバスの狭小マンション)

築年数が古いマンションは家賃収入が急激に下がる事もある

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– Cさんが選んだマンションは、築30年とかなり古い物件です。どうしてそのようなマンションを選んだのでしょうか。

第一の理由は、中古物件だとすでに入居されている方が居ますから、家賃収入の計算が立てやすいと考えたことです。私が購入したマンションの場合、当時住んでいた方から受け取れる家賃は、月々6万円。一方、ローンの支払い金額は月々5万円でした。マンションオーナーになってすぐに差額の1万円が定期収入になるところに魅力を感じました。古いマンションだと、購入価格が比較的安く抑えられるので、良い話だと思ったのです。

– ところが、失敗してしまった。何が悪かったのでしょうか。

マンションを購入してから1年でそれまでの入居者が退去しました。それはよくあることだと思うのですが、実は6万円という家賃は、その周囲の相場からすると、かなり高い家賃設定だったんです。それまで住まわれていた方は20年以上そこに住んでいた方で、20年前の家賃で更新されており家賃の改定が行われていなかったのです。しかし、今は私が購入したような同じ広さのワンルームマンションだと、近隣の家賃相場は4万円くらいで、6万円ではまったく入居希望者が出てこなく、相場通りの4万円まで家賃を下げて、ようやく入居者が決まったような有様でした。

– 家賃収入が4万円ですと、ローンで支払わなければならない5万円を下回って赤字になりますね。マンションを販売した不動産業者は、周辺エリアの家賃相場を教えてくれていなかったのですか?

そうなんです。今から考えると、ネットで地域の家賃相場を調べたり、なぜ家賃が高いのかしっかり確認しておくべきでした。不動産業者の言うことを全部鵜呑みにして、自分で調べたり考えたりする手間を惜しんだことが、失敗に繋がったんだと思います。

働く人のマンション経営は、自力よりも信頼できるプロのサポートが重要

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– 先ほど、「第一の理由」と仰いましたが、他にも中古物件を選んだ理由があったのですか。

書籍です。マンション経営に興味を持ってから、いくつか初心者向けのハウツー本を読んだんです。その中に、古い物件を安く購入して、自分でリフォームしてキレイにしてから転売しよう、という趣旨の本があって、それに感化されたんですね。でも、それがカンタンではなかった。

– 自分の住居ならDIYも楽しいかもしれませんが、他人が住むマンションの価値を上げるという意味では、リフォームは多くのオーナーさんにとってハードルが高すぎる気がします。

そうなんです。しかも、築30年の古いマンションでしたから、水周りの修理ですとか、壁紙の裏に繁殖したカビですとか、素人には手を出せないような問題が次々と出てきて、結局、業者さんに依頼して、数十万円の単位で出費が出てしまったのです。

– マンション管理、入居者管理は、毎日仕事があって忙しい方にとっては大きな負担になるケースがあるようです。それが楽しい、自分でやりたい、という方も、一部はいると思いますが……。

今から思うと、管理会社がついているところから購入すれば良かった、先々の収支計画まで相談に乗ってくれる不動産業者から購入すれば良かったと、後悔ばかりです。入居者を見つけるにしても、仕事のない休日をほとんど潰して活動していたんです。プライベートの時間を犠牲にしてまで赤字のマンションを購入するなんて、一体何の意味があるのかと虚しくなりました。

– 今日は貴重なお話をどうもありがとうございました。

まとめ:価値が下がりにくいマンションの条件とは?

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Cさんのケースから学べる重要なポイントは2つです。

  • 資産価値が急落する可能性のある物件を見極めること。
  • 自力を信じすぎず、プロのサポートを手厚く受けられる不動産業者を選ぶこと。

自分が住むために購入する住居と違って、マンション経営のためにマンションを購入する場合は、「入居者ニーズが高い物件」を選択しなければなりません。一方、なぜか割安な物件、悪質な不動産業者が熱烈に勧めてくる物件には、相応のリスクがあることを学ばなければなりません。たとえば、以下の物件にはこんなリスクがあります。

【地方物件】(購入価格が比較的安いが……)

  • 賃料が安いうえに、内装のリフォーム費用が、都心部の賃料が高い物件と変わらない。
  • 需要が限られる為、新しい入居者が決まりづらく、広告料を多めに支払わないと入居者が決まらない、しかも経年劣化と共に、家賃が下落しやすい。
  • 工場の閉鎖や大学の移転などがある為、立地の見極めが難しい。

【中古物件】(購入当初はプラスで回るが……)

  • 立地によっては、経年劣化と共に賃料の下落スピードが早くなる。
  • 管理状況によっては、改装や修繕のサイクルが早く予想外の支出が多くなることも。
  • 立地及び物件選定が難しい。
  • 購入前に「相場賃料」や「建物や室内の修繕履歴」を調査しないと家賃が当初より大幅に下がったり、突然高額な出費が出たりする。

【ファミリータイプ】(入居者が長く住んでくれると言われるが……)

  • 1Rと比較すると平米あたりの賃料が安い。
  • 内装の改修・改装費用が高い。
  • ワンルーム・1Kマンションと比べると新しい入居者が決まるまでに時間が掛かる。

こうしたリスクがあることを考えると、マンション経営にはその反対の、東京(大都市)、新築(または築浅)、1R・1Kマンションが適していることがわかります。(くわしくはコチラ:https://mansionkeiei.jp/torami-column/15716

もうひとつのポイントは、投資用マンションの運用管理はプロに委託することでリスクを軽減できること。
忙しい社会人がウィークデーは仕事をしながら週末にマンション経営も頑張るというのは、現実的な選択ではない場合がほとんど。しかし、しっかりとした運用管理を行ってくれる不動産業者からマンションを購入すれば、経営上の不安やリスクは最小限に留めることができます。(くわしくはコチラ:https://mansionkeiei.jp/torami-column/12220

ただし、注意したいのは、リスクの多い物件を購入した場合、こうしたサポートを引き受けてくれる会社が見つからないケースも多いということ。充分な勝算があって、「それでもリスクの高い物件を購入する!」という決断をする方はともかく、これから初めてマンション経営を始めたいという方はCさんの失敗を教訓にするのが良いでしょう。