退職金の平均額(大卒)約2,000万円で支払う税金はどのくらい?
老後の生活を送るための貴重な資金として、年金と並んで代表的なものと言えば「退職金」です。今回は、退職金の平均額や、実際に支払わなければいけない税金額などを見ながら、リアルな老後を想像してみましょう!
退職金の平均・相場ってどのくらい?
厚生労働省が発表している「平成25年就労条件総合調査結果の概況 退職給付(一時金・年金)の支給実態」では、学歴別退職給付額は以下のように発表されています。
■勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者の退職給付額
- 大学卒(管理・事務・技術職):1,941万円
- 高校卒(管理・事務・技術職):1,673万円
- 高校卒(現業職):1,128万円
■勤続35年以上の定年退職者
- 大学卒(管理・事務・技術職):2,156万円
- 高校卒(管理・事務・技術職):1,965万円
- 高校卒(現業職):1,484万円
退職金2,000万円で支払う税金はどのくらい?
退職金は「所得」ですから、残念ながら税金が取られてしまいます。具体的には、「所得税及び復興特別所得税」や「住民税」が源泉徴収または特別徴収されるのです。「一生懸命働いたのに最後まで税金を持って行くのか!」と怒ってしまう方もいるかもしれませんが、他の所得より控除などが優遇されていますので安心してください。
気になる退職金にかかる税金の計算方法は以下の図のようになります。
【図解】退職金にかかる税金の計算方法
(参照)退職金と税(国税庁)
では、実際に勤続35年(大卒)の方を例に、退職金2,000万円が支払われた場合、税金はどのくらいになるのかを計算してみましょう!
1. まずは「課税退職所得金額」を算出します
■退職金の額
2,000万円
■退職所得控除額
800万円+70万円×(35年-20年)
=1,850万円
■課税退職所得金額
(退職金の額【2,000万円】−退職所得控除額【1,850万円】)×1/2
=課税退職所得金額(75万円)
2. 次に、「所得税額」を算出します
■所得税額
課税退職所得金額【75万円】×所得税率【5%】−控除額【0円】
=所得税額(基準所得税額)【3万7,500円】
3. いよいよ最終的に支払うべき税金額の計算です!
■所得税及び復興特別所得税の額
所得税額【3万7,500円】+基準所得税額【3万7,500円】×2.1%
=所得税及び復興特別所得税の額【3万8,287円】 ※1円未満の端数は切り捨て
これで無事に2,000万円の退職金にかかる所得税を算出することができました!
なお、課税退職所得金額の75万円に対しては住民税(10%)もかかります。こちらの詳細に関しては、お住まいの市町村に確認してみてくださいね。
退職金や年金などをしっかりシミュレーションし、老後に備えましょう!
今回の記事で、退職金にかかる税金が、退職金全体から見れば思ったよりも小額であることがわかりましたね。
ただ、そのわずかな支出ですらも惜しくなるほどに現実は厳しいのです。というのも、老後に豊かな暮らしを送るためには、約1億円が必要と言われており、退職金だけでは資金がまったく足りない状況にあるためです。
頼りの年金制度も崩壊が懸念されている今、「退職金・年金以外の自立した資産を老後までにどれだけ確保するか」について、より真剣に考えなければいけませんね。
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