年金頼みの生活が崩壊する前に知っておくべき5つのこと
「少子高齢化により、年金制度は今後先細り、破たんするのでは?」とまで一部で言われています。老後の生活資金を年金だけで賄うのは今後ますます厳しくなってくるかもしれません。
今回は、年金頼みの生活が崩壊する前に知っておくべき5つの事実をご紹介します。
その1 国民年金未納率は4割
厚生労働省の調査によれば、2013年度末の国民年金保険料の納付率は60.9%と前年に比べ1.9ポイント回復しました。しかし85%前後あった90年代前半より大幅に悪化していることは事実で、依然として低水準が続いていると言えます。
年金保険料を支払わない理由としては「保険料が高い」「年金制度の将来が不安」と言った声が多数を占めます。未納者が増えることで、将来的に年金を受給できる人が減ると、生活保護受給者が増え、国の財政をひっ迫させる懸念があります。
その2 基礎年金受給額は満額でも約6万4,000円
国民年金制度には、原則的に20歳以上60歳未満の国民全員が加入することが法律で義務付けられています。しかし、そこから受け取る基礎年金は満額で月に約6万4,000円。しかも実際には、保険料の免除や、未納期間がある人も多数います。
そのため、国民年金のみ加入していた自営業者などの平均受給額は月約5万円となっています。サラリーマンならこれに加えて厚生年金、公務員なら共済年金に加入しますが、自営業者は基礎年金の加入のみなのです。
その3 今後、受給額は現役収入の半分以下に
厚生労働省がまとめた試算によると、現在30歳の人が65歳になった時に受け取る年金額は、経済成長がプラス0.9%であった場合は月29.9万円。
一見多いように見えますが、物価や賃金の上昇を考えると現役収入の51%にとどまり 、実質的に受給額は減ります。経済成長がマイナス0.2%の低成長のシナリオでは、年金額は月21.1万円(同44.7%)となり、現役収入の半分を割ります。
その4 老齢厚生年金の支給開始年齢が引き上げに
2013年4月から、男性は老齢厚生年金の支給開始年齢が引き上げられました。以降、段階的に引き上げが実施され、男性では1961年4月2日以降、女性では1966年4月2日以降に生まれた人は受給開始年齢が65歳からになります。
ただし希望すれば60歳から65歳の間でも繰り上げて受給することができます。反対に、66歳以降から70歳までの間で申し出た時から老齢年金を繰り下げて請求することも可能です。
その5 払った保険料に対していくらもらえるか? → 公表されず
厚生労働省は、年金に関する最新の試算をまとめて公表したデータの中で、公的年金の生涯収支(いくら保険料を払い、いくら年金を受け取ったか)の情報開示を見送りました。
5年前の前回2009年は給付負担倍率を公表していただけに、今回の非公表にはなにか裏があるのではないかとの憶測が飛び交いました。ちなみに前回のデータを参照すると、1950年生まれの人は2.0倍、1970年生まれからそれ以降は1.2倍と、年代によって収支格差を見て取ることができます。
今後は老後の生活を年金だけに頼るのはリスクが高いといえるでしょう。安定した老後にぴったりの資産運用や投資手法を早急に見つけなければなりませんね。