マンション経営を大阪で始めるのは正しいエリア選択なのか
これからマンション経営をお考えの場合、できれば目の届く居住地の近くで始めたいという方もいるでしょう。マンション経営は、マンションのニーズの高い都市部で始めるのがおすすめですが、関東と関西の2大都市の中で、大阪でマンション経営を始めることは選択肢としてどうでしょうか?大阪のメリットやマンションのニーズ、地域特性について見ていき、最後に東京との比較をしていきます。
1.マンション経営を大阪で始める際の強み
関西に在住の方の場合、都心でマンション経営を始めるなら、関西一の大都市大阪が視野に入ることでしょう。マンション経営を身近な場所で始められるというほかにもメリットがあります。大阪でマンション経営を始める際の3つのメリットについて見ていきましょう。
都心部への若年層の人口流入が続いている
大阪市の人口数は日本第2位で、2000年以降より微増が続いています。しかし、大阪の場合の人口増は出生が死亡を上回る自然増ではなく、転入が転出を上回る社会増によるものです。関西一の都市ということもあり、利便性とあいまって都心部を中心に人口流入がみられます。学校や企業が多くあることも影響しているでしょう。
転入は20~24歳の若年層の転入が最多です。マンション経営に適したワンルームマンションを必要とする層に合致するため、関西の中では安定した入居率を確保できる可能性があります。
参照ページ:大阪市の推計人口年報(平成29年)
都市機能の再開発が続いている
大阪はJR大阪駅北側の再開発をはじめ、大阪都心部では大規模な再開発が数多く計画されているため、今後のさらなる発展が期待できます。また、イベントの誘致に積極的で、カジノ誘致を目指す動きもみられます。もし実現すれば、さらに高い経済効果をもたらすでしょう。リニア新幹線の開通で、東京とともに一大経済圏を形成することになるのも、見逃せない動きのひとつです。
大阪全体では、将来的な人口減少が予測されているものの、都心部に限定すれば依然として大きな可能性を秘めている地域といえます。
地価が安定している
大阪の地価は上昇傾向にありますが、その幅は緩やかです。そのため、極端な買い時はありませんので、取引に慣れていない初心者でも、難しい購入タイミングを考えなくて済みます。また、早く所有しておけば、将来的に地価の値上がりが期待できます。
2.大阪でマンション経営を始める場合のポイント
では、実際に大阪でマンション経営を始める場合、どのような戦略を取っていけばよいのか、経営のポイントを解説します。
大阪でマンション経営を始める際に注目すべき地域
大阪でマンション経営を始める場合には、北区、中央区、西区、福島区、浪速区、天王寺区の都心6区内で物件を探すべきです。都心6区内はいずれも人口増減率がプラスで推移していますので、空室リスクが生じる可能性も低くなります。また、発展の続く梅田地区へのアクセスがよく、再開発による都市機能発展の恩恵も十分に受けられる地域です。将来的に安定した賃貸マンションのニーズがあると思われます。
地域によりワンルームとファミリーを選択
大阪でマンション経営を始めるなら、地域によりワンルームとファミリーを選択しましょう。都心では、若年層や学生などのニーズが高いため、ワンルームマンションでは入居者が途切れることなく、安定した収益が確保できるというメリットがあります。
ファミリータイプのマンションを選ぶ場合には、地域選択に注意が必要です。大阪市では、20~24歳の転入者が多い一方で、0~4歳および30~34歳の転出者が多く見られます。これは何を意味するかというと、結婚した後に家族で市外へと転出を行っている、ということです。ファミリータイプのマンションで経営を始めるなら、大阪市以外で発展が進んでいる北摂地区などは注目です。
3.大阪と東京を比較した場合どちらに投資するべきなのか
マンション経営に成功するには、空室リスクをいかに抑えるかが重要な課題となります。そのため、マンションのニーズが高い都心部が最適ですが、都心部といっても東京と大阪には、マンション経営にあたり注意すべき違いがあります。それは都市開発コンセプトです。
東京も大阪も大都市であり、都心部の再開発が活発に進められています。しかし、マンション経営にあたっては、東京と大阪ではその目指す姿が異なるという点に注意しなければなりません。目指す姿が異なれば、そこに集まる人も異なり、マンションのニーズにも違いが出てきます。東京と大阪の都市開発の違いについて見ていきましょう。
東京の都市開発と開発目的
日本では、都市機能の高度化や国際競争力の強化のため、都市再生特別措置法に基づき都市開発が進められています。開発対象の中でも特に重要とされる特定都市再生緊急整備地域に指定されている地域のうち、75%は東京圏です。国の方針として東京・横浜・川崎の都市開発に力を入れているため、今後もますます発展を続けることが期待されます。
また、都市機能の開発とあわせて、外国企業400社以上の誘致を目指すアジアヘッドクォータ特区構想が進められています。さらに、東京オリンピックの開催とそれにともなう都市開発や羽田空港の国際化も拍車をかけ、さらに国際都市としての機能が高まることでしょう。
東京圏の都市開発は、東京都心地域や池袋駅、渋谷駅などの再開発計画など、国際都市機能を重点においた開発が中心です。結果として、若年層の流入はもちろん、外国人労働者の流入も進んでいます。さらに、2027年にはリニア新幹線の開業も予定されており、東京の一極集中はさらに高まるでしょう。
大阪の都市開発と開発目的
大阪でも、都心部の老朽化した高層ビルを中心に再開発が進められていますが、東京とは異なる点が2つあります。
1つは、大型ホテルの開発が盛んなことです。インバウンド需要を狙ったもので、観光地としてのニーズに対応したものといえます。インバウンドの経済効果は高いものの、東京のような企業誘致とは意が異なり、居住者の流入とは直接関係していません。
もう1つは、うめきた2期開発における、生活やみどりを重視した街づくりです。都市公園を整備するなど、ライフデザインというコンセプトに基づく開発であるため、若年層よりもファミリー層の需要が高くなることが予想されます。梅田とアクセスが良好なベッドタウン北摂地区の存在も、開発目的に意識されていることでしょう。
4.マンション経営なら東京を選ぶべき4つの理由
ここまで大阪と東京のマンション経営についてご紹介してきました。ではどちらに投資した方が良いのかという点では、都市開発環境の違いだけでなく、マンション経営において東京には有利な条件が揃っています。マンション経営を始めるなら東京を選ぶべきです、その理由を4つご紹介します。
ワンルームマンションの潜在的なニーズが高い
マンション経営には運営コストが低いという点でワンルームマンションが向いています。都心部では一般的に若年層のワンルームマンションのニーズが高くなりますが、これからマンション経営を始めるなら、東京では大幅に需要が高いことに着目すべきです。
東京のワンルームマンションの需要が高い大きな理由が2つあります。まず、東京の若年層人口の割合が高く、他地域からの流入が続いていることです。
ワンルームマンションを賃貸する層は若い世代および単身世帯が多いため、若年層の流入が続いているということは安定した需要が見込めるということになります。企業や学校の数も東京が圧倒的に多いです。特に大学は都心回帰が進んでいるため、学生のワンルームマンションの需要もかつてより高まっています。
さらに、東京にはワンルームマンションの建設規制があることも、ニーズに大きく関係しています。
東京23区ではワンルームタイプの需要が高いにもかかわらず、新規のワンルームマンションの建築が難しいことから、慢性的な物件不足が続いています。そのため、築年数が経過していても、立地がよく適切なメンテナンスが行われている物件であれば、入居者は集まります。したがって、空室リスクが少ないだけでなく、家賃の下落リスクはごくわずかにとどめることができるのです。長期的な家賃収入を希望している方にとっては、この規制があることは大きなメリットにはたらきます。
人口減によるマンションニーズ低下の影響を受けづらい
日本は将来的に人口が減少すると予測されています。国立社会保障・人口問題研究の推計によると、30年後の人口予測では、東京以外の地域では減少する地域がほとんどです。2045年時点で、2015年より人口減少とならない都道府県は、東京都のみとなっています。
人口が減ると、当然ながらマンションなど住宅のニーズは低下しますので、空室リスクや家賃の下落は必至です。そうなると、期待していた収益は得られなくなってしまうという状況に追い込まれます。
東京では、現状転入超過が続いており、将来的に見た場合にも人口減少の影響を受けません。長期的に安定した住宅ニーズが期待できるので、空室リスクを心配する必要もないでしょう。
家賃水準が高い
東京は年収水準が高く、家賃水準も高額です。当然土地や物件の価格もほかの地方都市より高くなるため、家賃水準が高くてもメリットはないのではと考えてしまうかもしれません。しかし、それは誤りです。
マンション経営にあたって、無視することのできないコストに、入退去間の修繕コストがあります。東京とほかの地方都市とは、家賃こそ水準に差があっても、修繕コストや設備コストには大きな差はありません。結果として、家賃の高い東京では、家賃収入に対する費用負担の割合が小さく済みます。
長期的に見た場合の収益率が高い
都心部のワンルームマンションは、郊外にくらべると物件価格が高額となるため、表面利回りが低くなることが一般的です。しかし、長期的に見た場合には、表面利回りの数字よりも、いかに空室を生じさせなかったかが、利益に反映されますので、利回りに惑わされないように注意しましょう。
東京都心のワンルームマンションの表面利回りは5%を切ることもありますが、入居率が高いため、空室リスクは少ないです。長期的に見た場合の収益額は、表面利回りが高額の場合よりも断然有利となります。
5.マンション経営を始めるなら東京で
マンション経営の成功には、空室リスクをいかに減らすかが重要です。賃貸のニーズの高い都心部の新築ワンルームマンションを選べば、継続的に入居者を確保できます。中でも東京は、ワンルームの需要の高さから空室リスクが低いなど、ほかの都市にはないメリットがあります。
また、東京は都市開発が進んでいるため転入超過状態が続いており、多くの都市で将来的に人口減が予想される中、東京だけが人口増を続けると予想されています。
近い将来だけでなく、20年後、30年後を見据えた収益化には、東京であることの立地的、環境的メリットは計り知れません。これからマンション経営を始めるなら、ぜひ東京を検討すべきです。
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