給料が上がらない!家計貯蓄率が初めてマイナスになった今にできること
内閣府が昨年(2014年)末に発表した「国民経済計算確報(2013年度)」において「家計貯蓄率」が初のマイナスを記録しました。この結果から、どのような日本の将来が見えてくるのでしょうか。
家計貯蓄率ってなに?
「家計貯蓄率」とは、可処分所得(給与やボーナスから税金、社会保険料などを差し引いた手取り収入)に対する貯蓄の割合を示すもので、国民全体で手取り収入をどれくらい貯蓄に回しているのかを示す数値です。
日本の家計貯蓄率は1970年代後半辺りから徐々に減少をはじめていましたが、2013年度に初のマイナスを記録してしまったことになります。
なぜ家計貯蓄率がマイナスなの?マイナスになるとどうなるの?
家計貯蓄率がマイナスになった背景の一つとしては、消費税増税の駆け込み需要で消費が増えたことがあげられますが、実は最も大きな原因としては「高齢化」があります。
年金だけでは足りずに貯金を切り崩して生活しはじめる高齢者の割合が大きくなってきたため、家計貯蓄率が低下してきているとされているのです。今や悠々自適な老後生活などは幻想となっている厳しい現実が、データにまで滲み出る結果となったわけです。
本来、家計貯蓄率がマイナスになると、消費を控える家庭が増え、消費を控えた分、貯蓄率は上がるはずです。しかし、物価が上昇しているのに給料が増えないという現在では、消費を控えているにも関わらず、貯蓄率は上がらず、消費はさらに落ち込むという危機的な状況に陥るリスクが高まっています。
また、「給料が増えない→消費を控える→モノが売れない→企業の業績が下がる→給料が増えない→消費を控える」という悪循環にはまってしまう危険性もあるのです。
家計貯蓄率がマイナスになったらどうすればいいの?
上述したように、家計貯蓄率がマイナスになった今、消費を控えて貯蓄に回せば解決するという単純な問題ではなくなっているようです。では、どうすればいいのでしょうか。
■政府が企業へ賃上げを要請も期待は薄い
賃金が物価に追いついていないという、悪循環をもたらす根本的な問題を払拭するため、政府は企業へ「最大限の努力を図っていただけるように要請したい」と、賃上げを正式に要求しました。
ただ、そもそも賃金の上昇は企業の業績次第と言えます。つまり、先ほどの悪循環に突入してしまった場合、インフレ率をカバーできるほどの賃金上昇に期待することは難しいかもしれません。もはや、政府や企業に頼っている場合ではないと言っても過言ではない状況にあるのです。
■家庭で独立した資産運用を始めよう
政府や企業に頼ることなく、家庭で考えられる対処法と言えば、やはり「資産運用」でしょう。
資産を運用せず、預貯金などの保守的な方法で切り抜けようとする時代は終わりました。そのような方法だけではインフレに対応できず、資産が目減りしてしまう可能性があるからです。現に、年金だけでは足りず、自身の預貯金に頼るしかないお年寄りたちの生活は厳しく、「老後破産」という言葉が社会問題化するレベルにまで達しています。
この現実からも、預貯金として資産を停滞させるのではなく、長期的に安定した収入を得られる資産運用方法を積極的に選択していく必要があると言えそうです。
特に、物価の上昇(インフレ)が深刻な現在において強いとされるのが不動産投資などの「現物資産」を保有する方法になります。中でも東京圏におけるマンション投資市場は活況であり、老後不安を抱える世代から、多くのマンションオーナー・投資家が新たに誕生しています。
彼らはなぜマンション経営を選ぶことで、華やかな老後生活を取り戻すことができたのか。
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