【他人事じゃない】団塊ジュニアの老後に待ち受ける厳しい現実
団塊ジュニア世代とは、1971年(昭和46年)から1974年(昭和49年)に生まれた世代のことを指します。
この世代は毎年200万人以上が生まれ、「受験戦争」や「就職氷河期」などの社会現象に巻き込まれた世代でもあります。団塊世代に次ぐボリュームゾーンである団塊ジュニア世代が老後を迎える頃には、様々な問題が起きるといわれています。
団塊ジュニア世代を待ち受ける厳しい現実とはどのようなものなのでしょうか。
団塊ジュニア世代は就職難の先がけ
まず、団塊ジュニア世代が辿ってきた道のりを振り返ってみましょう。
団塊ジュニア世代が大学を卒業したのが、バブル崩壊後の90年代です。それまでの好景気から一転、企業は新卒採用を一気に絞り込みました。その結果、不本意な就職をしたり、正社員になれず非正規雇用で働く人が増えたのがこの世代です。「就職氷河期」という言葉は1994年の流行語大賞にもノミネートされました。
団塊の世代は、社会全体で若い社員を一人前に育てようという風土がありましたが、団塊ジュニア世代の頃には経済が右肩上がりに成長する時代はとっくに終わっており、企業側にも体力がないという状況に変わりました。
年金受給額減少
そんな厳しい時代を生き抜いてきた団塊ジュニアですが、その老後も厳しい状況は続きそうです。
例えば、団塊ジュニア世代が年金を受け取るようになる頃には、現在年金生活を送っている団塊世代よりも、年金受給額は少なくなるといわれています。これは、年金の被保険者の減少や平均寿命の延び、さらには社会の経済状況を考慮して年金の給付金額を変動させる「マクロ経済スライド」によるものです。
また、団塊ジュニア世代は晩婚化、女性の出産年齢の高齢化から、人口が多い割には子どもの数が少ないというのが特徴です。人口ピラミッドの予測図では、団塊ジュニアが65歳以上になる2040年は、その下の世代の人口は年齢が下るにつれて少なくなっていくそうです。そのため、高齢者一人に占める生産年齢人口の割合が低く、年金受給額も現在と比べてさらに減少してしまうのです。
定年延長の流れ
団塊ジュニア世代は、給料が右肩上がりだった団塊世代に比べて生涯所得に差がつく可能性が大です。
つまり、老後にゆとりのある生活を送るためには、「年金だけでは不十分」という厳しい現実が待ち構えているかもしれません。従来のような「定年」という概念はなくなり、生涯をかけて働き続けなければならなくなるかもしれないのです。
本当に老後もずっと働き続けたいか。そう問われたとき、みなさんはどのように答えますか?
いかがでしたでしょうか。たしかに厳しい現実が立ちはだかってはいますね……。
ただ、それを乗り越えようとする中で、従来のような年金だけに頼って生きていく老後のイメージをよりアクティブに覆す変化が起きるかもしれません。
これまでの固定観念にとらわれず、自分の老後の生活に備えるべく、その原動力となる資産の運用を早いうちから自分の手によってデザインしていく。そのような積極的な視点が大切になるのではないでしょうか。