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サラリーマン大家がスムーズに確定申告を済ませるコツ

サラリーマンの方が不動産投資を始める際、忘れてはいけないのが確定申告です。税務署に申告して利益を確定させ、納税を行うことは国民の義務であり、滞納すると追徴課税などの罰則が発生します。普段は確定申告を行うことがないサラリーマンの方からすると、「面倒だな」と思うかもしれません。しかし慣れてしまえば、確定申告はそれほど大変ではありません。またメリットもあり、万一不動産投資で損失が出てしまった場合は、その損失分を会社員の給与で相殺する損益通算をすることで、払いすぎた税金が還ってくる事もあります。

今回は、これから不動産投資を始めようと思っている方や、すでに始めているけれど難しいと感じている方に向けて、確定申告をするためにはどのような準備が必要で、どうすればスムーズに行えるのかをお伝えしていきます。

青色申告・白色申告とは

まず確定申告には、青色申告と白色申告の2種類があります。大きな違いは、下記の2点です。

・白色申告書類の作成はシンプル
・青色申告書類の作成はやや複雑で、10万円と65万円の2段階の節税効果がある

白色申告を行う場合は、前もって税務署に申請しておく必要はありません。一方で節税効果のある青色申告は、税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出しないと行えないという特徴があります。不動産投資を始めてから2ヶ月以内にこの書類を提出する必要があるのですが、もし出し忘れてしまった場合でも、ひとまず提出しましょう。ただしその場合、実際に青色申告が行えるのは翌年からとなります。

青色申告は、行うだけで10万円の控除が受けられます。この金額の控除を受けるだけなら、白色申告と同様に単式簿記での書類作成で問題ありません。青色申告を行って、利益を最大化させましょう。ちなみに、青色申告で65万円の所得控除が受けられるのは、不動産投資の場合は5棟10室、つまり5つの物件、もしくは10部屋以上を投資家として所有していることが条件となります。

確定申告をスムーズにするための事前準備とは

投資用物件を購入したら、前述したように入居者が入らなくても、2ヶ月以内に青色申告の書類を提出します。確定申告期間は、毎年2月15日前後から3月15日前後の1ヶ月間と決まっているので、直前で焦らずスムーズに申告を終えるためには、年内にある程度の準備を済ませておくことが肝心です。

基本的にはどれくらいの収入と支出があって、最終的に1年間でどれくらいの利益が残ったのかを申告書に記入するだけですから、毎月の収支の証明となるものを手元に残しておけば、作業はぐっと楽になります。

1.毎月の収入を記入しておく
確定申告では、1月1日から12月31日を区切りとして、その1年間の収入金額を申告しなければいけません。不動産投資の場合、収入の大半は家賃です。家賃収入の額は、比較的先まで見通しを立てやすいため、記入はそれほど難しくないはずです。できれば、年内の家賃収入のおよその額を、エクセルシートなどで管理しておくと良いでしょう。

収入として計算できるものには、例えば以下があります。

・家賃
・共益費等の収入
・礼金
・更新料

これらの項目については、管理会社からの振込書類や賃貸契約書を資料として用意します。

2.支出も前もって計算しておく
収入額と同時に、毎月発生した支出額も日頃から計算しておきましょう。支出で毎月定期的に発生するのは管理費や光熱費。それ以外で修繕に使った費用などは、臨時の支出として適宜管理していきます。また固定資産税も必要経費となるので、忘れずに納税書などの書類を取っておきましょう。不動産購入初年度には登録免許税を、翌年には不動産取得税を支払う必要があり、これらの税金も経費となります。支出は収入に比べると細かい額の項目も多いので、エクセルで管理表を作成し、こまめに帳簿するようにしましょう。

支出になるものには、例えば以下があります。

・集金代行手数料
・建物管理費
・修繕積立金(共用部分)
・修繕費(専有部分)
・税金(固定資産税、不動産取得税、登録免許税)
・ローンの支払金利(土地等の取得に要した金利分は経費になりません)
・減価償却費
・火災保険料
・登記費用(司法書士報酬含む)
・ローン事務手数料(融資活用の場合)
・税理士報酬

管理費や修繕費、士業報酬、経費などの領収書はそれぞれ保管し、保険は証券を用意しておきます。税金も納付書を残しておきましょう。また、不動産売買契約書も用意します。ローンの支払金利に関しては、「1年間に返済した融資の額」を記した表が金融機関から送られてくるので、そこから割り出せます。そして減価償却費は、建物の購入費を耐用年数で割った数字になります。確定申告用の会計ソフトを使って管理すると、書類への記入もサポートしてくれるので大変便利です。

確定申告の手順

12月になったら、すべての収入と支出を計算してまとめておきます。収入を示す書類、支出を表す領収書なども印刷して、月ごとにファイルにまとめておきましょう。基本的には、税務署に領収書などを提出する必要はありません。ただし万一調査が入ったときには証拠書類となるため、それらの書面には7年間の保管義務があります。

ではここからは申告の際に実際に必要な書類と、スムーズな申告をするための手順を挙げていきます。

1. 1月中に書類を用意する
基本的には個人事業主として申請していれば、年末から1月の間に税務署から書類が送られてきます。失くした、あるいは届いていない場合は、税務署に行って確定申告に必要な書類をもらってください。白色申告と青色申告では、必要な書類が異なります。

青色申告を行う場合は、下記を用意します。

・確定申告書(B)
・各種控除を証する書類
・青色申告決算書

この書類の必要な箇所に、会社からもらった源泉徴収票を見ながら、会社員としての給与収入や不動産投資での収入・支出を記入していきます。

2.税務署やセミナーで確定申告の方法を聞く
慣れない人にとっては、この書類への数字の転記が最も負担に感じることでしょう。もちろん税務署に行けば、職員から記入の仕方を教えてもらえます。ただし確定申告の時期が近くなればなるほど税務署も混雑するので、不安な方は支出と収入を早めに把握して1月の段階で税務署に行き、記入の仕方を教えてもらうと良いかもしれません。

また、不動産投資に関するセミナーや個別相談会に参加すれば、節税や確定申告に関する疑問点も質問することができるので、初めての方にはオススメです。

3.確定申告の書類は早めに提出する
実際に確定申告の時期が始まったら、初めての方は郵送ではなく、できれば出向いて記載に間違いがないか、税務署で実際に確認してもらいながら提出しましょう。また提出した書類は返却してもらえないので、コピーも取っておきます。提出すれば税額が確定するので、納税を行えば完了です。

確定申告には他の方法も

1.確定申告はネットでも可能
確定申告は、インターネットでも行うことができます。ネット上で完結させるにはICカードリーダーと電子証明書を用意しなければいけませんが、ネット上で作成した書類を印刷して税務署に送付してもかまいません。インターネット経由での確定申告であれば会社を休む必要もないため、2年目以降からはネットでの確定申告も検討しましょう。

2. 税理士に依頼するのも一つの手
ここまでで述べたような収支の記録を毎月こまめに行えない、または会社を休めない、書類作成はどうしても負担になるという方は、税理士に作業を委託することもできます。支払う費用は、確定申告のみを任せるのか、それとも毎月の収支の計算まで任せるのかによって、また不動産投資の収入額によっても変わってきます。時間的な余裕がほしいのであれば、税理士に確定申告や納税作業を委託するのも一つの手です。

まとめ

不動産投資を行ううえで、確定申告は避けては通れない義務です。しかしサラリーマンとしての所得との損益通算によって、所得税や住民税から還付が受けられるなど、金銭的なメリットも大きいのです。

マンション経営大学でも税理士の紹介を行っているので、時間と手間を節約したい方はぜひご相談ください。プロの手を借りて、適切な納税と節税を行いましょう。

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