世界に広がる「住宅バブル」、しかし東京のマンションはまだ「割安」の傾向?
マンションを購入するにあたって誰もが注目するのは、今が「買い時」かどうか。しかし、「買い時をどう見極めれば良いのか?」、「担当者の口車に乗ってしまうのでは?」と怖くて、踏み切れないという人も多いかもしれません。そこで今回は、住宅価格が「バブルかどうか」を客観的に判断する指標をご紹介。価格の上昇傾向が進む東京のマンションが「買い時」なのかどうか、分析・解説していきます!
東京の新築マンション価格はバブル以来、1戸6000万円超の高値圏へ
マンション経営を始めるにあたって極めて有利な東京都市圏。世界最大規模の都市圏であり、大学や工場が多数密集しており、国勢調査では、日本の総人口が減少しているにもかかわらず、東京圏での人口増加傾向はむしろますます進んでいることが明らかになっています。こうした好条件を反映するかのように、アベノミクス以来の景気回復にともない、東京都市圏の新築マンションの価格は上昇中です。1戸あたりの平均価格は、2015年11月時点で6000万円を突破。1991年の6月以来の高価格帯に突入したということです。(不動産経済研究所調べ)
でもこれは、40-50代の方にはちょっと不安な兆候に感じられるかもしれません。そう、1991年と言えば、かつて日本で、バブルが弾けて不況に入ってしまう、直前の時期。もしかしたら「東京圏のマンションも割高になってきてはいないか?」と不安になってしまうかもしれません。
東京はまだまだ「割安」、世界からの注目が集まっている?
東京のマンションが割高かそうでないか。客観的な指標に「UBSグローバル不動産バブル指数」というものがあります。UBSとは、スイスのチューリヒ/バーゼルに本拠を置く金融持株会社のこと。そのUBSが、2016年秋に、世界の主要18都市を対象に、「各国の経済成長に反して過剰な価格の高騰が見られ、バブルが弾ける可能性が高い都市」のランキングを発表しました。
東京は、18都市中、何位でしょうか。正解は、以下の通りです。
- 1位:バンクーバー(2.14)
- 2位:ロンドン(2.06)
- 3位:ストックホルム(1.92)
- 4位:シドニー(1.70)
- 5位:ミュンヘン(1.59)
- 6位:香港(1.52)
- 7位:サンフランシスコ(1.27)
- 8位:アムステルダム(1.22)
- 9位:チューリヒ(1.03)
- 10位:パリ(0.82)
- 11位:ジュネーブ(0.75)
- 12位:東京(0.68)
- 13位:フランクフルト(0.66)
- 14位:シンガポール(0.45)
- 15位:ボストン(0.29)
- 16位:ニューヨーク(0.13)
- 17位:シカゴ(-0.7)
- 18位:ロンドン(-0.09)
※数字はバブル指数
バブル指数が、1.5を超えるとバブル状態、0.5から1.5は割高を示します。東京のバブル指数は、0.68。やや割高の傾向が出始めてはいますが、まだ「バブルに入った」とは言えないようです。他の主要都市は、バンクーバーの2.14(!)をはじめ、東京を大きく上回りすでにバブル入りしていると判断される都市も多いのがわかります。2位のロンドンなどではすでに価格の急落が始まっており、昨年のEU離脱決定が、価格の下落を加速させる要因にもなっているようです。
さいごに
世界規模での比較では「東京はまだ割安感がある」と言えそうです。東京オリンピックというビッグイベントを控えていることからも、世界中の投資家から注目を浴びる余地はまだまだ残されているのではないでしょうか。