7つの失敗事例から学ぶマンション経営のリスク
マンション投資に関わらず、投資にはリスクがつきものです。
しかし、自身が知っておくことで回避できるリスクがあるのも事実。決して安くない金額を投資に使うのですから、知っておけば防げたのに! というようなトラブルは避けたいですよね。
ということで、過去マンション経営大学で紹介してきた実際にあった事例をまとめました。これからマンション投資する方の参考になれば幸いです。
事例に学ぶマンション経営
▶︎目次
- 事例1. 中古マンションを購入して失敗した。その1
- 事例2. 中古マンションを購入して失敗した。その2
- 事例3. 所有マンションを増やして失敗した
- 事例4. 通院・入院歴を隠して中古マンションを購入してしまった
- 事例5. 地方のマンションを購入して失敗した
- 事例6. ファミリータイプマンションを購入して失敗した
- 事例7. アパートを一棟を購入して失敗した
事例1. 中古マンションを購入して失敗した。その1
周囲の家賃相場より高かった家賃
最初に紹介するのは、築年数30年を超えた中古のワンルームマンションを購入した30代女性のAさん。Aさんの購入したマンションは毎月の支払いが5万円で、家賃は6万円で当初は毎月1万円のお金が手元に残っていました。しかし、1年後に入居者が退去してしまいます。ここで次の入居者がすぐに決まれば良かったのですが、実は6万円という家賃が周囲の平均家賃相場より2万円高かったのです。そのため入居者が決まらず、結局家賃を下げて4万円の相場家賃でなんとか入居者を見つけました。
リフォームのハードルが高かった
Aさんは、自分でリフォームして転売することを考えていました。書籍などを読んでいて、自分でもできそうだと判断したそうです。しかし実際は、築30年を超えたマンションだったため、水周りの修復や壁紙の裏に繁殖したカビなど、素人が手を出せない問題が多発。結局、業者にお願いして高額な出費が発生しました。
事例2. 中古マンションを購入して失敗した。その2
購入直後に起きたトラブルで莫大な出費が
都内にある築26年のワンルームマンションを購入したBさん。このBさんの身に起きたトラブルは、 “水道管” の破裂でした。根本的な解決には長期工事が必要とのことで、入居者も出て行ってしまい、結局、工事の費用や、家財への賠償請求などで約260万円もの出費となりました。マンションは配管や給水設備が特に劣化しやすいので、築30年を超えたマンションを検討するときは気をつけた方がよいでしょう。
- ※参考:新築から10年以内の住宅で欠陥があった場合、修繕費用には「瑕疵担保責任」
- 平成21年「住宅瑕疵担保履行法」の全面施行を受け、新築から10年以内の住宅で欠陥があった場合、修繕費用には保険が適用されることになりました。
ただし、注意しなければいけないのは、この「住宅瑕疵担保履行法」は、第1売主が第1買主に対して瑕疵担保責任を負うものなのです。つまり、保険期間中の築10年以内の住宅でも、転売され中古住宅となった時点で保険は引き継がれません。中古住宅は「住宅瑕疵担保履行法」の保険適用外ということになってしまうのです。
※ここで言う瑕疵とは、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の欠陥のことです。
事例3. 所有マンションを増やして失敗した
無計画にマンションを増やしてしまった
Cさんが買ったのは、とある地方にある築古の2LDKマンションを2件。その後、地方の築浅ワンルームマンション2件。最後に、地方の中古ワンルームマンション2件。計画性をもって購入したものではなく、販売会社に促されるままに購入したそうです。最初は営業担当の言うとおりうまくいったようですが、数年経つと修繕積立金などが上がり、だんだん採算がとれなくなってきたと言います。さらに築10~20年になってくると、補修や入れ替えの時期と重なり、さらに出費することに……。
やはり重要なのは、信頼できる営業担当者から購入すること。良い担当者は、繰上げ返済の計画を立てたり、資産形成のアドバイスまで、各個人にあった最適な提案をしてくれます。決して安くない買い物なわけですから、信頼できるパートナーを選ぶことが重要です。
事例4. 通院・入院歴を隠して中古マンションを購入してしまった
営業「投薬していること、入院したことは隠しちゃいましょう」
過去に胃の病気で入院歴があり、マンション購入時にも投薬を続けていたというDさん。本来であれば、投薬入院歴の申告が必要です。虚偽の申告で保険金は受け取れません。しかし、販売会社の担当者から言われたのは、「大丈夫です、投薬していること、入院したことは隠して申告しましょう」。結局、その担当者のいうとおりにしてしまったDさんは、ローンの乗り換えもできず、胃の痛い毎日が続いているそうです。
事実を隠して販売することは相当に悪質ですが、そもそも購入する側も正しい知識を身につけて保険に入れば防ぐことができたのです。Dさんは、正しい団体信用生命保険の知識をつけるとともに、信用できる会社を選ぶべきだったのでしょう。
事例5. 地方のマンションを購入して失敗した
入居者が見つからなかった
Eさんは、首都圏に比べて価格が低く、さらに利回りの高さに魅力を感じ、地方で投資用マンションを購入しました。しかし、すぐには入居者が見つからず、当初の見込み家賃から下げて、やっと大学生の入居者を確保する事が出来ました。しかも物件が家から離れていたために管理の目が行き届かず様々な対応も遅れがちになってしまいました。さらに運の悪いことに、入居者の通う大学が都心へ移転することとなり、再び空室に……。
さすがにここまで重なるのは運が悪いとも言えますが、地方マンションの空室率は、その地域の企業の撤退、学校の廃校等に影響を受けやすい特徴があります。また、日本は年々東京に人口が集まっているので、地方マンションへの投資は十分な知識と調査が必要とも言えそうです。
事例6. ファミリータイプのマンションを購入して失敗した
修繕積立金が値上がりして支出が増えてしまった
東京近郊のベッドタウンでファミリータイプのマンションに投資したFさん。ワンルームマンションより賃料を高く設定できることから、利回りの良さを期待しての購入でした。
しかし修繕積立金が上がり毎月25,000円の支出に。さらに、入居していた家族の子供が大学進学を機に一人暮らしを始めると、残された家族は3LDKは広すぎるという理由で退去。最終的に、900万円近い赤字を出すことになりました。
ファミリーマンションやタワーマンションといった大型マンションは、初期投資が高いだけではなく、メンテナンス費用がかさむ傾向にあります。管理費や修繕積立金も必然的に上がり、期待していた利回りが得られないリスクも知っておかなければなりません。
事例7. アパートを一棟を購入して失敗した
震災の影響で修繕に莫大な費用がかかってしまった
東京近郊にアパート一棟を購入し、まもなく東日本大震災に遭ってしまったGさんは、地震の被害により修繕費用と耐震予防で莫大な金額がかかってしまいました。
その地域の地盤だけでなく、アパートの構造そのものが弱かったため、建物全体に被害を受けてしまったようです。
地震大国の日本において、ひとつの場所に投資することは高いリスクを伴います。複数の場所に複数のマンションを所有することで、リスクを抑えることが大切です。
他にも、様々なマンションを所有することは、多様な入居者のニーズをつかむメリットもあります。この多様なニーズをつかむことが、マンション投資を成功させるための貴重な経験を積めるでしょう。
まとめ
しっかりと知識武装をすれば、回避できるリスクも多いです。
紹介した7つの失敗した事例をぜひ参考にしてみてくださいね。