不動産投資をするなら知っておきたい!防犯上優れているのはどんなマンション?
誰もが安心・安全な生活を望んでいます。そのため、不動産投資をするならどのようなマンションが防犯に優れているかを知ることは、とても重要です。
また防犯設備が充実した賃貸マンションは人気が高いため、不動産投資で避けたいリスクの1つである、空室リスクを軽減できます。窃盗犯などが「侵入は難しい」と考えるのはどんなマンションか、そして侵入をあきらめさせる効果の高いマンションの防犯設備について、解説します。
■マンションで起きる犯罪の状況
警察庁の発表によると、2016年度にマンションや戸建て住宅、駐車場、道路上などで刑法犯が起こした犯罪件数は、約14.7万件です。
刑法犯の中では、窃盗が最も多く約7割弱の10.1万件です。このうち、住居に侵入して窃盗をはたらいた件数は約7.6万件、侵入先がマンションの場合の件数は約1.3万件でした。
こうした住居侵入による窃盗犯罪は、防犯カメラの設置数の増加やピッキングやサムターン回しなどの不正解錠に強い鍵の普及が進んだことで、警察庁によればピーク時から15年連続で減少してきています。
しかし減少はしていても、0ではありません。侵入されて被害にあった人にとっては、100%犯罪が起きたことになります。特に賃貸マンションへの入居を希望する人は、昼間の時間帯は仕事で留守にすることが多く、また女性も多いのです。
■住居侵入による窃盗犯罪はどのように行われるのか
1.住居侵入による窃盗犯罪の手口
住居侵入による窃盗犯罪が行われる手口として、警察庁は「空き巣」、「居空き」、「忍び込み」の3つを紹介しています。以下、簡単にそれぞれの手口の内容を紹介します。
1-1 空き巣の手口
留守宅を狙って住宅に侵入して金品を盗んだり、窃盗犯の個人的な趣味を満たすための物品を盗んだりする手口です。
1-2 居空きの手口
空き巣と異なり、留守でないことを承知したうえで家人が昼寝や食事、その他で油断しているところを狙って住居に侵入し金品を盗む、または個人的な趣味を満たすための物品を盗む手口です。
1-3 忍び込みの手口
夜間に家人が就寝したことを確認してから住宅内に侵入して金品を盗む、または個人的な趣味を満たすための物品を盗む手口です。
1-4 その他(ベランダなど敷地内で窃盗する手口)
上記3つの他にも、ベランダに干した洗濯物や、駐輪場から自転車などを盗む手口もあります。特に、女性にとって洗濯物の窃盗被害は、金品の被害とはまた異なる恐怖を感じるので、注意が必要です。
■窃盗犯が狙いやすいと考えるマンションとは
窃盗犯はどのようなマンションが侵入しやすい、と考えるのでしょうか。窃盗犯はほとんどの場合、実行する前に下見を行います。下見でチェックするポイントは、侵入しやすく、かつ逃げやすいかどうかです。
ここでは窃盗犯が、どんなポイントをチェックしているのかをみていきます。
1. 窃盗犯が侵入前にチェックするポイント
1-1 セキュリティーシステムが備わっていないか
1-2 侵入時に外部からの目をさえぎる死角があるか
1-3 侵入するための足場になるものがあるか
1-4 防犯カメラが建物や建物周囲にないか
1-5 窓からの侵入が容易か
1-6 郵便受けの状況やカーテンなどで留守と判断できるか
1-7 夜間センサーライトや照明がなく、侵入場所が暗いか
1-8 侵入場所の周囲は人通りが少ないか
1-9 逃走後にすぐに人混みに紛れ込めるか
1-10 近くに自転車、バイク、車などを駐車できる場所があるか
では次に、窃盗犯が侵入を躊躇するのはどんな場合なのかをみていきましょう。
2.窃盗犯が侵入をあきらめるケース
2-1 侵入時間に10分以上かかるとき
例えば防犯性能の高い複数の鍵がついていて、窓が合わせガラスの防犯ガラス、さらにセキュリティーシステムが装備されているマンションは、侵入に時間がかかります。
警察庁のデータによると、窃盗犯は侵入に2分かかると約5割が侵入をあきらめ、5分以上かかると約7割、10分以上かかると侵入者のほとんどがあきらめるそうです。
2-2 周囲からの目線を感じるとき
警察庁曰く、「近所の人に声をかけられた、ジロジロ見られた」、「警察官にたまたま出会った」など、周囲からの目線を感じる場合も、窃盗犯は犯行をあきらめるそうです。
■マンションで窃盗被害にあわないための防犯設備と対策
ここからはマンションで住居侵入による窃盗被害にあわないための対策を、大きくソフト面とハード面に分けて説明していきます。
1.ハード(設備)面での防犯対策
そもそも防犯に優れた設備がないと、簡単に侵入されて窃盗被害にあってしまいます。では一体どんな設備のあるマンションが良いのでしょうか。
侵入防止に効果的な防犯設備や、侵入されにくい建物構造として、以下があります。
1-1 共用部や死角などに、複数の防犯カメラが設置されている
1-2 TVモニター付きインターホンとオートロックが設置されている
1-3 共用部やエレベーター内などの24時間オンライン監視システム、窓や玄関からの侵入時に検知するセンサー、非常通知ボタンなどのセキュリティーシステムが導入されている
1-4 不正解錠が困難なシリンダーとリバーシブルキー(ディンプルキー)が採用されている
1-5 不正に鍵を複製できない「チェンジキーシステム(リベロ・キーシステム)」が採用されている
1-6 玄関ドアが複数の鍵を施錠できる構造になっている
1-7 バールなどで強引に開けられにくい構造の玄関ドアが採用されている
1-8 窓に防犯ガラスや面格子が採用されている
1-9 宅配業者を装った不審者と接触しなくて済むように、宅配ボックスが設置されている
1-10 死角が少ないなど、マンション内に侵入しにくい建物構造になっている
2.ソフト面での防犯対策
警察庁のデータでは、窃盗被害にあっているマンションを含む住居への侵入手段の1位は、意外にも施錠されていない窓や玄関からの侵入です。
たとえせっかく防犯性能の高い鍵や窓があっても、無施錠では意味をなしません。
オートロックのマンションだから、あるいは高層階だから窓の施錠はしなくても大丈夫、ということはないのです。無施錠だと窃盗被害にあう可能性もあるので、しっかり施錠をする、夜間に長時間の外出をするときは部屋の電気を付けておく、女性だけが住んでいる部屋と思わせないようにする、などの心がけを入居者に呼びかけるとよいでしょう。
■まとめ
賃貸マンションに入居を希望する人にとって、防犯設備の有無は入居の決め手の1つになり得るため、不動産投資家にとっても無視できない条件の1つとなります。
また、防犯設備に優れたマンションは、空き家リスクを軽減できる可能性もあります。
ですからぜひ、「1.ハード(設備)面での防犯対策」で挙げた項目を見ながら、投資するマンションを探してみてください。