東京は本当に世界一の都市になれるのか(2)-交通編-
東京都が2014年9月に公表した「東京都長期ビジョン」では、10年後の2024年までの都政運営の指針が示されています。
これから東京五輪に向けて、東京都市圏はどうなっていくのでしょうか。そして、五輪が終わった後には、どのような東京都市圏の姿が広がっているのでしょうか。
前回の「東京は本当に世界一の都市になれるのか-概要編-」に続きまして、今回は東京都長期ビジョンより、今話題の「シェアサイクル」といった交通・環境などのインフラ整備に関する戦略をピックアップし、東京都の未来像を想像してみましょう!
キーワードは「安心」「快適」!人や環境にやさしい交通体系の構築を目指す!
東京都は「誰もが円滑かつ快適に利用できる総合的な交通体系の構築」として、
・安心して快適に利用できる交通
・人や環境にやさしい交通
・東京の成長を支え、活力を高める交通
という大きく3つのカテゴリーに分け、対策を進めているようです。具体的な施策としては以下のような項目が挙げられています。
・駅のホームドア整備
・ターミナル駅などにおける鉄道、バス、タクシーといった各交通モード間の乗り継ぎのシームレス化
・歩行者中心モールの実現
・自転車走行空間の整備や広域的なシェアサイクルの実施
安全や環境に配慮した項目が目立つのが特徴的ですね。
生活者の視点に立つとともに、増大が見込まれる外国人観光客の快適さにもフォーカスした都市計画は、東京という街に大きな利便性を与えてくれることでしょう。
世界中で注目されるシェアサイクルが東京のライフスタイルに!
今、利用者がどこでも自転車を貸出・返却できる「シェアサイクル」が、世界中で注目を集めています。東京都長期ビジョンでも取り上げられ、東京都の新しいライフスタイルとして提案されています。
2012年のロンドン五輪では、開催前に「自転車専用レーン」や「シェアサイクル制度」を整備し、交通網をスリム化したことにより、五輪後も多くの地域住民や観光客に利用される都市の資産となっています。
すでに港区では、実証実験としてシェアサイクル制度が導入されているそうです。品川駅や、六本木ヒルズ周辺で赤い自転車を見かけたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。他にも千代田区、江東区、世田谷区などでも開始されているようです。「統一システムを構築し、各区間を相互乗り入れできるようにすることが将来的な課題」としています。
シェアサイクル制度の導入は、放置自転車対策にもなり得るため、東京の景観をより良くし、交通の安全も確保してくれることでしょう。いつも歩いている商店街や街角から放置自転車がなくなった景色を想像してみると、今の東京のイメージがガラッと変わるような気がしませんか?
買い物や通勤時の移動がとても便利になりそうなシェアサイクル。
休日のお出かけなども楽しくなりそうですね!
安心・安全で快適な交通網が整備される東京は世界一住みやすい都市になるかも?
シェアサイクル制度の整備をはじめとする各施策などにより、利便性と安全性を両立しようとする東京は、子供からお年寄りまで、生活者にも外国人観光客にもやさしいモデル都市として、より発展していくことが期待されています。
「ごちゃごちゃしている」と揶揄されてしまうこともあった東京ですが、これからの「やさしい進化」に期待していきたいですね!