大増税直前チェック!2015年の相続増税5大ポイントまとめ
2015年1月1日から、相続税の改正により基礎控除が引き下げられます。これにより、今までほとんどの人が「自分には関係ない」と考えていた相続税が、一気に身近なものになります。
今回の相続税の改正は現行のものと比べてどう変わったのでしょうか。これだけは押さえておきたい5つのチェックポイントを一緒におさらいしていきましょう。
1. 基礎控除が約4割減少
今回の相続税の改正で一番のポイントとなるのは基礎控除額の引き下げです。
現在、相続税の基礎控除額は【5,000万円+1,000万円×相続人の数】で算出されますが、改正後には【3,000万円+600万円×相続人の数】に引き下げられます。
例えば、妻1人と2人の子どもが相続を受ける場合を考えると、控除額は現在の【5,000万円+1,000万円×3=8,000万円】から【3,000万円+600万円×3=4,800万円】へと約4割の減少となり、大幅に引き下げられることが分かりますね。
2. 相続税の最高税率が50%から55%へ
基礎控除の引き下げとともに、今回の改正で最高税率が引き上げられました。
今まで、課税額が「2億円以上3億円以下」だった場合には税率40%が適用されていましたが、改正後は45%になります。そして、課税額が「3億円以上」の場合は一律50%の税率であったのが、今後は「3億円以上6億円以下」が50%、「6億円以上」は新たに55%の税率が適用されます。
税率の引き上げにより、富裕層の相続税負担は非常に重くなったといえるでしょう。
3. 高額納税者には控除額を引き上げ
相続税の最高税率が50%から55%に引き上げられたことに伴い、税率区分が今までの6段階から8段階に細かく分けられました。
今回の改正では富裕層への税負担が増加するので、それを少しでも緩和するために控除額が引き上げられた格好です。「2億円超から3億円以下」は1,700万円から2,700万円に、「6億円超」は4,700万円から7,200万円に、それぞれ控除額が変更されました。
しかし、その分、税負担も増えるので、やはり富裕層にとって厳しくなることには変わりありません。
4. 小規模宅地等の評価減の見直し
相続税には「小規模宅地等の特例」というものがあります。これは、一定の面積までは土地の評価額を下げて相続税を計算するという特例です。
改正前は240㎡まで評価額が80%減額されていたのが、改正後は330㎡までに対象が拡大されます。その他、二世帯住宅の課税要件も緩和されます。
しかし、これらの減税措置は、限られた人しか恩恵を受けられないものですので、今回の改正が多くの人にとって増税になるとの認識に変わりはないでしょう。
5. 未成年者控除、障害者控除が拡大
相続税から一定額を差し引く未成年者控除・障害者控除については、控除額が長年据え置かれていましたが、経済動向や今回の基礎控除等の見直しを踏まえて引き上げられることになりました。
未成年者の基礎控除額が「20歳までの1年」につき6万円だったものが、改正後は10万円に変更されます。障害者控除は、「85歳までの1年に」つき6万円だったものが10万円に変更されます。(特別障害者については同12万円から20万円に変更)
さいごに
いかがでしたでしょうか。税負担が大きくなる中で、どのような節税対策を取るかが今後ますます重要になっていきますね。
マンション経営は、資産を不動産として持つことで相続税評価額を下げられるため、効果的な節税対策としてさらなる注目を集めていくでしょう。